2016年4月に発生した熊本地震、最大震度7を観測した熊本県益城町では700棟以上が全壊となりました。被災家屋の多くは、建築基準法で耐震基準が強化された1981年以前に建築されたものと見られています。しかし一方で、比較的築浅の住宅でも被害が認められたことから、改めて木造住宅の耐震性能を確認する必要性が高まっています。

熊本地震では前震と本震共に震度7を観測し、前震で耐えた建物が本震で倒壊に至ったというケースもありました。今回のような繰り返し地震の挙動に関しては、一般的な許容応力度計算では、1回目の地震により受けた影響を各部材に対して与えることは不可能です。

建築研究所・国土技術政策総合研究所では、木造住宅の耐震性能に関して、振動台を用いた実大実験や応答解析、地震時の木造住宅の挙動に関する多くの知見を活用し、建物全体の地震動時の損傷状況や倒壊可能性を評価するための倒壊解析プログラムの開発を行いました。

wallstat はその研究成果を、木質構造を専門とする方々が使えるようにしたソフトウェアで、これまで困難とされてきた木造住宅の倒壊挙動を再現することが可能になりました。

開発者:中川貴史氏

国土技術政策総合研究所 建築研究部 基準認証システム研究室 主任研究官

wallstatによるシミュレーション

対象の木造住宅

パソコン上での三次元モデル化

解析モデルに地震動を加える

計算結果をアニメーションで表示

パソコン上で数値解析モデルを作成し、振動台実験のように地震動を与えた場合の挙動をシミュレーションすることで、変形の大きさや倒壊の有無を視覚的に確認することができます。